不登校。ひきこもり。
言葉で知っている。存在も聞いている。
でもその姿を知っていることとは、イコールになりません。
そもそも、どのような実態なのか。
何がきっかけになるのか。
原因になりうることは。
問題となっていることとは。
周りはどのようなことができるのか。
…
このような問いを胸に、『不登校・ひきこもりの9割は治せる』を読みました。
NPO法人高卒支援会の杉浦孝宣さんが、30年にわたる支援と指導の経験をもとに書かれた本書では、多くの事例をともに、貴重な知見が紹介されています。

本書から私が「なるほど」と思った点を以下に紹介していきます。
だれもがなり得る
・頭が良く、さまざまな才能にあふれ、性格も穏やかで優しい子が多い。それがちょっとしたボタンのかけ違いで、ひきこもりになってしまう。
・不登校の原因の2割が学業の不振。中でも英語でつまずいてしまう生徒が多い。
放っておかない
・ひきこもりは自然には治らない。
・社会復帰へとつながる3つのステップは、
① 規則正しい生活
② 自律して自信をつける
③ 社会貢献をする
親の重要性
・子どもがひきこもりから立ち直るには、まず親が変わることが必要。
・小さいころからの親の接し方が、(不登校やひきこもりの)原因になっている。
・重要なのは、
① 親(特に父親)が本気で向き合う
② 無条件の愛情で接する
③ 甘い対応はしない
こと。
このほか、社会、構造、仕組み、制度などの外的な要因も、もちろんあります。
101カレッジとの共通点
実は、上記に挙げた「社会復帰へつながる3ステップ」は、私たちのプログラムとも共通しています。
① 規則正しい生活 <101カレッジのフェーズ1>
海をのぞむ家で目を覚まし、星空を見ながら床に就く、という自慢の環境。
カレッジでの生活に慣れながら、健康的なリズムをつくっていきます。
農家でのお泊まり会、無人島探検、マリンスポーツ体験など、アクティビティも楽しみましょう。
② 自律して自信をつける <101カレッジのフェーズ2>
さまざまな職業体験を通して、自分の得意なことを見つけていきます。
農漁業、プログラミング、家具づくり、ショコラティエ、動物の世話など、多岐にわたる仕事にふれます。(そのバラエティは今後も増していく予定…!)
「できた」「楽しい」「嬉しい」という経験を、一緒に重ねていきましょう。
③ 社会貢献をする <101カレッジのフェーズ3>
インターンシップというかたちで、技術の基礎を学んでいきます。
自分のつくったものが、ほかの人に届くよろこび。
社会とのつながりを実感し、貢献する実体験を積んでいきます。
これから101カレッジに活かせられること
このカレッジに参加するまでが長い道のりだ-。
本書を読み、私がまず抱いた感想です。
正直、私たちの存在、理念、活動内容などが広く知られるようになれば、参加してくれるだろうと思っていました。
しかし、まずひきこもりの状態から抜け出す。その一歩を本人が踏み出す。
このハードルの高さを痛感しています。
実際には、当人を支える家族会、支援団体、公的機関など、さまざまな関係者がいます。その方々とのネットワークを丁寧につくっていくことは言うまでもなく重要で、関係性をたしかなものにいきたいと思っています。
また「親」の重要性もあらたにしたところ。
もちろん親がすべてではないし、親も完璧はありません。
完璧ではないながらも、完璧ではないからこそ、同じ先を見据え、同じ想いを持ち、スクラムを組んでいければと思います。
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