最近では、割と身近に「うちの子ども、学校に行きたがらない」「不登校なんです」という声を聞くことがあります。不登校と言っても、その原因や理由は様々ですが、文部科学省によると「不登校」になる要因が大きく7つのタイプに分類されています。
不登校の7つのタイプにはどんなものがあるのか?
不登校のタイプとして、人間関係がうまくいかないなどの学校で生活上の影響や、「あそび・非行」に走るタイプ、なんとなく登校しない「無気力タイプ」、学校へ行く意思はあるのに身体が思う様に動かないタイプなど、7つのタイプをご紹介します。
7つのタイプとその対応方法
1.学校生活上の影響
学校生活において、教職員との人間関係や、嫌がらせをしてくる子どもの存在など、明らかにそれが原因だとわかる理由や影響によって登校しない(できない)タイプ。いじめ被害を受けていたり、勉強に遅れがあるなど、学校の中に要因があるタイプです。
(参考元:1 不登校とは(不登校の定義とタイプわけ)|文部科学省)
【対応方法】

2.あそび・非行
遊びたい、また非行グループに入るなどして登校しないタイプで、中学・高校と年齢が上がるにつれて増えることが多いです。
【対応方法】
家庭内でのトラブル、家庭環境に問題があるケースも多いため、子どもだけではなく、その家族や周囲の人々へのサポートが必要になります。
あそび・非行が進行すると、犯罪に巻き込まれることもあるので、生活リズムの乱れ(遅刻や早退の増加、校則違反など)に現れるサインを見逃さず、早い段階で適切な対応をすることが大切になります。
厳しい指導や叱責などは、逆に反発してさらに非行に走る可能性もあるので、まずは子どもの居場所を保障し、少しずつ話し合うことが大切です。
3.無気力
なぜかわからないけれど、なんとなく登校しないタイプ。いじめや学校の勉強についていけないなど、明確な理由がないことが特徴で、さらに登校しないことへの罪悪感が少なく、強く催促すると登校するのですが、長続きしません。
【対応方法】
原因が分からないので、家族としてもどうしたらいいのか対応方法がわからず、「怠けているだけだ」と思い、無理に学校へ連れて行こうとする人も多くいます。
しかし実際には、子ども自身の自尊心や自己肯定感がとても低いため、意欲が湧かないこともあるようです。
無理をして学校へ行かせようとせず、まずは子どもの興味や気持ちを尊重して、自発性や自主性を少しずつ育むことが大切です。
4.不安など情緒的混乱
登校しようとする意思や気持ちはあるのに、身体の不調を訴えて登校できない、また漠然とした不安を訴え登校しないなど、不安を中心とした情緒的な混乱によって登校しない(できない)タイプ。
「不安など情緒的混乱」は、「無気力」と似ている場合が多いのですが、対応方法がまったく異なるので、子どもの様子を見て、よく話を聴いて、情報を整理しながら、正しい対処法を知ること、そして学校教員や周りの人と連携しながら対応することが大切になります。
尚、文部科学省によれば、このタイプはさらに4つに分類できるそうです。
【対処方法】

5.意図的な拒否
学校に行くことに意義を認めず、自分の好きな進路を選んで意図的に登校しないタイプ。

【対応方法】
家にいることの方が心地よく、むしろ積極的に学べるという子も少なくありません。なので、そのまま本人の意志を尊重するものよいでしょう。
周囲がが学校へ行くことを望んでも、無理に説得せずに、本人の意思を最大限に尊重した上で、話し合うことが大切になります。
6.複合
不登校状態が継続する理由がいくつか重なっており、どれが主な理由であるかが決まらないタイプ。
いじめと家庭環境など、いくつかの要因が重なることで不登校になったという場合が当てはまります。最近ではこのタイプが最も多いと言われています。
【対応方法】
とにかく子どもの話をよく聴いて、多くの情報を整理してから対応していくことが重要です。「このタイプだ」と思い込んだり、決めつけたりせずに、相談機関や専門家のサポートも受けながら、どうすればいいのか、少しずつ考えていきましょう。
7.その他
不登校の子どもたちすべてを、上記の6タイプに分類できるわけではありません。大切なのは、不登校によって子どもが何を伝えようとしているのか、学校へ行きたいのか、別の場所を探したいのか、家族や学校教員に求めていることな何か、その子どもの価値観や気持ちをしっかりと見て、受け止めることです。最も重要なのは、その子どもにとって何が幸せなのかを見つけることではないでしょうか。
そして101カレッジ
今回は、不登校の7つのタイプについてご紹介しました。
不登校の人数は年々増加傾向にありますが、それは「子どもの心が弱くなった」とか、「学校がダメになっているから」ということではありません。
社会の多様性、人間の多様性を認め合える世の中になるよう、ここから発信していきたいです。
101カレッジでは、いろいろな業種の職業体験を通して、自分が好きなこと、やりたいことに出会うきっかけを提供します。
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※『不登校の定義とデータ』についてはこちらの記事から
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